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高森明勅
2019.10.2 06:00皇室

権威の二重化?

上皇陛下がご譲位を希望されている事実が広く国民に知られた時。
ごく少数の者らが反対した。
その最大の理由は「権威の二重化」により混乱が生まれる、というもの。
それに対し、私は以下のように反論していた。

「確かに上皇陛下が譲位をされたからと言って、国民の敬愛の念が
たちまち失われるような事はないだろう。
しかし憲法上、『日本国』及び『日本国民統合』の『象徴』はあくまでも
天皇であり、歴史的にも天皇こそが国家秩序の頂点、国民結合の中心だった。
新しい時代になれば、国事行為をなさるのは新しい天皇であり、象徴としての
公的行為についても同様だ。
何より、上皇陛下ご自身がその事を深く理解しておられ、それに相応しく
振る舞われるに違いない。
だから、国内を分断するような“権威の二重化”は起こらない」と。

果たして、どちらの言い分が正しかったか。
令和の日本は、「権威の二重化」により分断され、混乱に陥っているか、どうか。
答えはもはや明らかだろう。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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